ナナシ(転生後)


・9歳
・不老不死じゃない

ヴェルに殺されたあと、転生した。転生直後しばらくは転生前の記憶は覚えていなかった。しかし4歳の頃から転生前の記憶を夢に見たのか、転生前に知り合った人達に似ている子達を見かけたからか何かで日常に徐々に違和感を覚え始める。

既視感をよく覚えるようになり、自分の記憶にある人達がどこにもいないことに寂しさを感じた。記憶の人達の顔はぼんやりとしか見えない。夢なんだし、なんか見たことあるって気のせいかもしれなくて、存在しなくたって何も不思議じゃないのにその人達がいない事がおかしいように感じる。
自分の感覚と現実に隔たりを感じ、車酔いの様な目眩と吐き気が度々起こるようになった。
目眩と吐き気は突然起き、真っ暗な場所や布団で全身を包んでしばらく安静にしないと治まらなかった。真っ暗な場所がない、布団にも包まれない場合は仮眠を取るしかなかった。仮眠も取れない時は目を瞑って視界を遮ったりしたが、真っ暗な場所で眠ったり安静にするよりは効果が著しく低く、目眩と吐き気に苦しんだ。

7歳になってから半年頃には、記憶を完全に取り戻す。しかし、相変わらず大切だったはずの人達の顔はハッキリと思い出せずほとんどぼやけている。
あの目眩も吐き気もまだ起きる。相変わらず暗闇の中で安静にしないと治まらない。
今の生活は至って普通で平穏だが、元の世界(ナナシの世界)の大切な人達がどこにもいないことがどうしても悲しくて辛い。もう誰も本当の自分を知ってる人達もいないし、誰にも分かってもらえない孤独感に苛まれる。

話したところで信じてもらえないし、きっと自分がこの世界で暴れたことは間違ってると言われると思った。自分がどうして人造人間なんか作ったのか、どうしてこの世界に来たのか、どうしてこの世界で暴れたのかなんて理解してくれる訳がない。自分や自分のやった事を否定されたくなかった。だから家族にも誰にも話さなかった。

転生してから7歳までの記憶は、元の記憶を取り戻した後もちゃんと覚えてる。友達とかのことも覚えてる。でも、元々深く関わってる子がそんなにいなかったから、転生前の記憶を取り戻してからは友達とは疎遠になり、学校でも仲のいい友達を作ろうとしなかった。

授業は一応出るようにしていて、人造人間や魔物を作ったりしていたから勉強も難しくなくてテストや課題も適当にこなして、家族から何も文句を言われないようにしていた。
昼休みは魔法の練習や新しい武器の案を練ったりしていた。学校が終わっても家族には「友達と勉強してくる」とか「遊びに行ってくる」と言って、人気の少ない場所に行き、魔法の練習の続きをしたり、学校で練っていた武器や研究の案を元に開発や研究をした。

9歳の頃には魔法の感覚も取り戻して、転生前と変わりない強さになった。
長期休暇の日を狙って、転生前ぶりに荒廃した城へ行った。そこでエマと出会い、戦闘になる。

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